動画制作ノウハウコラム

動画ファイル形式10種類|活用シーンごとにおすすめのフォーマットを紹介

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船木 佑哉

<動画事業部 部長>

動画ファイル形式10種類|活用シーンごとにおすすめのフォーマットを紹介

編集後に動画をアップロードできる形にファイリングする際、動画ファイル形式を選択する必要があります。

動画ファイル形式には複数の種類があり、アップロード先や制作目的によって最適なものを選ばなければなりませんが「どれを選択すればいいかわからない」という方もいるでしょう。

本記事では動画ファイル形式10種類の特徴や、活用シーンに合わせた最適なフォーマットを紹介します。

動画ファイル形式を選択する上で知っておきたい知識についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

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  • 動画ファイル形式とは
  • 動画ファイル形式の種類
  • 動画ファイル形式を選ぶ際の注意点

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動画ファイル形式(コンテナ)とは?

動画ファイル形式(コンテナ)とは?

動画ファイル形式とは、映像と音声のデータを格納するための箱のことで、コンテナとも呼ばれます。
そもそも動画ファイルはひとつのデータにまとめられているのではなく、映像と音声が別々に格納されています。

コーデックと呼ばれる技術を用いて、音声と動画をファイル形式に格納できる形に変換し、同梱してひとつの動画データができる仕組みです。

動画ファイル形式にはさまざまな種類がありますが、ファイル名の末尾にある「.mp4」や「.avi」を用いて識別しています。種類によってはテキストやサムネイルのデータも格納できるようになっています。

コンテナ・コーデック・エンコードの違い

動画ファイルを取り扱う上で知っておきたい用語として、以下の3つがあり、それぞれの違いは以下のとおりです。

構成要素 概要
コンテナ(動画ファイル形式) 映像データと音声データの格納場所
コーデック 映像データや音声データのサイズを圧縮する技術のこと
エンコード 映像データと音声データのサイズを圧縮して1本の動画にすること

映像データや音声データはそのままのサイズで扱うと、容量が大きくなり動画再生時に重くなることがあるため、圧縮して容量を小さくすることが必要です。
できるだけデータを小さくするためにも、圧縮技術であるコーデックを用い、エンコードして圧縮したデータをコンテナに格納します。

コーデックの種類によって格納できる動画ファイルが異なるため、高品質な動画を制作するには、コーデックとコンテナの相性を確かめて動画を制作する必要があります。

動画ファイル形式の種類

動画ファイル形式の種類

動画ファイル形式には、以下の種類があります。

  • MPEG-4(.mp4)
  • AVI(.avi)
  • WMV(.wmv)
  • MOV(.mov)
  • FLV(.flv)
  • MPEG-2(.mpg)
  • VOB(.vob)
  • ASF(.asf)
  • MKV(.mkv)
  • AVCHD(.m2ts)

*()内は動画ファイル形式の拡張子。

それぞれの違いを把握して、自社に合った動画ファイル形式を選べるようにしましょう。

MPEG-4(.mp4)

MPEG-4(MP4)はさまざまな場面で活用されている汎用性の高い動画ファイル形式です。
WindowsやMacなど幅広いOSやMPEG-4に対応した家電製品でも再生できます。

ほかのファイル形式より容量が小さいものの、高画質な動画を制作できるのがメリットです。どの動画ファイル形式にしようか迷っている方は、MPEG-4を使えばほとんどのケースにおいて問題ないでしょう。

AVI(.avi)

AVIは以下のような多くのOSに対応できる動画ファイル形式です。

  • Windows
  • Mac
  • Linux

Microsoftが開発したファイル形式であり、Windowsでは標準化されています。
多種類のコーデックでの動画圧縮が可能で、使いやすいのがメリットです。ファイルサイズは大きくなりやすいですが、高画質を維持できます。

一方、動画配信サービスで映像データを受信しながら再生する「ストリーミング再生」に対応できないのがデメリットです。

WMV(.wmv)

WMVはWindows Media Viewerの略で、AVIと同様、Microsoftが開発した動画ファイル形式です。
Windows Media Playerで視聴できるようにしたファイル形式で、ストリーミング再生に対応可能なのが特徴です。

高い品質の動画を制作できますが、ファイルサイズが大きくなるデメリットがあります。Apple製品の場合は、WMVの動画を視聴するためにWindows Media Playerのダウンロードが必要です。

MOV(.mov)

MOVはAppleがQuickTime Playerのために開発した動画ファイル形式です。
macOSの標準であり、Apple製品を使用している方におすすめです。
幅広い種類のコーデックに対応できるので、比較的使いやすいファイル形式となっています。

音声や映像の品質が高いものの、ファイルサイズが大きい点がデメリットです。Windowsでも利用できますが、QuickTime Playerのダウンロードが必要です。

FLV(.flv)

FLVは、Photoshopやillustratorなどを販売しているAdobeが、Adobe Flash Player用に開発した動画ファイル形式です。
2020年にAdobe Flash Playerは廃止されましたが、最近ではYouTubeのストリーミング再生に使われています。

OSやブラウザに影響されにくいため、幅広い視聴環境に対応可能です。ただし、iOSデバイスで対応していない点がデメリットです。

MPEG-2(.mpg)

MPEG-2は、以下の2種類があり、それぞれ活用方法が異なります。

MPEG-2の種類 概要
MPEG2-PS ビデオやDVDに書き込む際に活用されているファイル形式。拡張子は「.mpg」「.mpeg」など。
MPEG2-TS 主に以下の3つに活用されているファイル形式。
・地上波のデジタル放送の規格
・ハイビジョンカメラ
・ブルーレイ
拡張子は「.ts」「.m2t」など。

自社でDVDを制作する場合は、MPEG2-PSの活用をおすすめします。

VOB(.vob)

VOBは「Video OBject file」の略で、DVDに音声や映像データを書き込むための動画ファイル形式です。
DVDプレイヤーや再生ソフトがあるデバイスで視聴できます。

チャプターメニューを作ることが可能で、ユーザーが自身の視聴したいところにすぐ移動できるのが特徴です。

ASF(.asf)

ASFはMicrosoftが開発したファイル形式で、AVIを改良したものとなっています。
ストリーミング再生が可能になっており、AVIより利便性が高いことが特徴です。

著作権侵害を防止するためのDRM機能も搭載されていることから、安心して動画配信できます。

ただし、ファイル形式の知名度が低く、エンコードできるソフトが少ない点がデメリットです。

MKV(.mkv)

MKVはロシアで開発されたオープンソース型の動画ファイル形式で「Matroska(マトリョーシカ)」とも呼ばれています。

Windows10に標準装備されたことにより、多くの人に活用されるようになりました。

幅広いコーデックに対応しており、動画や音声だけでなく、各国の字幕データを格納できるのも特徴です。

AVCHD(.m2ts)

AVCHDは「Advanced Video Coding High Definition」の略で、高解像の動画を制作できる動画ファイル形式です。
パナソニックとソニーが開発したもので、主にデジタルビデオカメラに活用されています。

解像度を落とすことなく圧縮できるため、高い品質を維持することが可能です。

コーデックの種類と動画ファイルの対応表

コーデックの種類と動画ファイルの対応表

映像や音声データコーデックにもさまざまな種類がありますが、代表的なものとして以下の5つがあります。

コーデックの種類 特徴
H.264/MPEG-4 AVC 2003年に国際規格となったコーデックで、汎用性が高くさまざまな幅広いファイル形式に対応している
H.265 HEVC ・2013年に国際規格となったコーデックで、H.264よりも2倍の圧縮率を誇る
・個人利用の場合エンコードに時間がかかる
MPEG-2 DVDやブルーレイに活用されている
MPEG-4 高画質で圧縮できるコーデックだが、H.264によって現在はあまり活用されていない
Xvid・Divx ひと昔前まで良く活用されていたコーデックで、再生負荷が低い

上記のようにコーデックには複数の種類があり、エンコードする動画形式ファイルに応じて最適なものを選ぶ必要があります。

各動画ファイル形式が対応しているコーデックを以下の表にまとめていますので、参考にしてみてください。

動画ファイル形式(コンテナ)の種類 主要な対応コーデック
MPEG-4 ・H.264
・MPEG-4
・Xvid
・Divx
AVI ・H.264
・H.265
・MPEG-4
・Xvid
・Divx
WMV WMV9
MOV ・H.264
・MPEG-4
FLV H.264(バージョンごとに異なる)
MPEG2-TS ・H.264
・MPEG-2
MPEG2-PS ・MPEG-2
・MPEG-4
VOB MPEG-2
ASF ・H.264
・MPEG-4
・Xvid
・Divx
MKV ・H.264
・MPEG-4
・Xvid
・Divx
AVCHD H.264

上記のように、制作したい動画のファイル形式に合わせて、コーデックを選べるようにしましょう。

ただし、ファイル形式やコーデックの選び方がわからない方もいるのではないでしょうか?もし、自社で選ぶのが難くて悩んでいるのであれば、動画制作会社への相談も検討しましょう。

弊社の動画制作サービス「ムビサク」でも動画制作に関する疑問に対して、詳しくお答えしております。

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活用シーン別で推奨される動画ファイル形式

活用シーン別で推奨される動画ファイル形式

以下の5つのシーンで推奨される動画ファイル形式を紹介します。

  • YouTubeの動画投稿の場合
  • YouTube以外のSNSでの動画投稿の場合
  • 自社サイトに埋め込む場合
  • 自社で動画制作をする場合
  • DVDを制作したい場合

自社の活用シーンに合った最適なファイル形式を見つけられるかもしれませんので、ぜひ読んでみてください。

YouTubeの動画投稿の場合

YouTubeやYouTube広告を活用したい場合は、以下の動画ファイル形式がおすすめです。

  • MPEG-4(.mp4)
  • AVI(.avi)
  • WMV(.wmv)
  • MOV(.mov)
  • FLV(.flv)
  • MPEG-2(.mpg)

参考:YouTube でサポートされているファイル形式|Google広告ヘルプ

YouTubeの場合、アップロード時に自動でFLVへ変換するため、多くの動画ファイル形式に対応しています。

ただし、一度圧縮した動画を再び圧縮する仕組みになっており、画質が落ちるため注意が必要です。

なお、YouTubeでの集客を考えている方は、こちらの記事もおすすめです。マーケティングを成功させるためのポイントを把握できますので、ぜひ参考にしてみてください。

YouTube以外のSNSでの動画投稿の場合

TwitterやInstagramなどで動画を投稿する場合は、各SNSに合わせて投稿しましょう。各SNSごとに対応している動画ファイル形式は以下の通りです。

SNSの種類 推奨されているファイル形式
Twitter ・MPEG-4(MP4)
・MOV
Instagram ・MPEG-4(MP4)
・MOV
Facebook ・MPEG-4(MP4)
・MOV
TikTok ・MPEG-4(MP4)
・MOV
・MPEG-2
・3GPP
・AVI

参考:Media Studioライブラリ|Twitterヘルプセンター

参考:広告に使用できる動画フォーマット|Metaビジネスヘルプセンター

参考:TikTokオークションインフィード広告|TikTokビジネスヘルプセンター

複数の媒体で配信したいと考えている場合は、毎回各SNSに合わせて動画を制作するのが大変なため、MP4かMOVを利用することをおすすめします。

なお、SNSを活用される方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。各SNSの特徴や動画の制作ポイントについて詳しく紹介しています。

自社サイトに埋め込む場合

自社サイトに埋め込む場合は、サイトの利便性を意識して、MP4かFLVを利用することをおすすめします。
MP4かFLVはほかの動画ファイル形式よりも、比較的データ量が少ないため、ページの読み込みの速度が比較的速いです。

サイトの読み込みが速いと、ユーザーが読み込みの間に離脱することを防げるので、滞在時間が向上しSEOに良い影響も与えられます。

自社サイトへの動画掲載については、以下の2記事でも紹介しています。SEOや動画制作に関する注意点も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

自社で動画制作をする場合

動画編集をする場合は、自社のOSによって変えるのがおすすめです。たとえば、Macの場合はMOV、Windowsの場合はAVIと標準で扱える動画ファイル形式にするといいでしょう。

ただし、自社で何度も動画を編集して圧縮すると画質が落ちる場合があるため、注意しましょう。

DVDを制作したい場合

自社でDVDを制作する場合は、MPEG-2がおすすめです。
編集する時は別のファイル形式にして、最終的にDVDに書き込む際、MPEG-2に変換します。高画質のファイルからMPEG-2に変換することで、映像をきれいに残せます。

動画ファイル形式を選ぶ際の注意点

動画ファイル形式を選ぶ際の注意点

動画ファイル形式を選ぶ際の注意点として、以下の2つがあります。

  • ファイル形式の変換を繰り返さない
  • コーデックの種類によっては再生できない場合がある

動画ファイル形式選びでトラブルが起きないよう、事前に確認してみてください。

ファイル形式の変換を繰り返さない

ファイル形式を繰り返し変換すると、毎回動画の画質が劣化するため注意しましょう。

たとえば、1本の動画を制作して、その動画にテロップや音声を追加してエンコードした場合、追加したテロップの画質以外は低くなります。

劣化すると、もとに戻せないこともあるので、必ず前のデータをバックアップしておきましょう。

コーデックの種類によっては再生できない場合がある

同じファイル形式でも、コーデックの種類によって再生できない可能性があります。
動画をアップするSNSやサイトによって、指定や推奨をしているコーデックが異なる場合があるためです。

できるだけトラブルなく動画をアップできるよう、事前に動画アップロードの要件を調査し、対応しているファイル形式とコーデックを確認してからエンコードしましょう。

動画ファイル形式のよくあるご質問

動画ファイル形式についてのご質問はかなり多くいただきます。その中から、頻度の高いものへの回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

MPGとMP4の違いは何ですか?
MPGとMP4はどちらも動画ファイル形式ですが、いくつかの違いがあります。MPGはMP4よりも圧縮率が低いため、ファイルサイズが大きく、画質が低くなります。一方、MP4はMPGよりも高画質でファイルサイズが小さくできます。一般的に、MP4はMPGよりも優れたビデオファイル形式とされています。
YouTubeに投稿する動画のファイル形式は何ですか?
YouTubeに投稿する動画のファイル形式は、MP4、MOV、AVI、FLV、WMV、MPEG-4、3GPなどが挙げられます。ただし、YouTubeはMP4形式を推奨しています。MP4形式は、高画質で圧縮率がよいので、YouTubeに投稿する動画には最適なファイル形式です。
iPhoneで再生できる動画の形式は何ですか?
iPhoneで再生できる動画の形式は、MP4、MOV、M4V、3GP、3G2、MPEG-4、H.264、HEVC、AAC、MP3、ALAC、FLACなどです。これらの形式の動画であれば、iPhoneの標準搭載のアプリ「写真」や「ビデオ」で再生することができます。

まとめ

動画ファイル形式活用シーン

動画ファイル形式は活用シーンによって、最適なものを選ぶことが大切です。動画ファイルを作成する前に、必ずアップロード先で推奨や指定がされているファイル形式を確認してからエンコードしましょう。

もしどの動画ファイル形式を選べばいいかわからない場合は、動画制作会社に聞くのもひとつの手段です。

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