動画を撮影・編集するときに欠かせない要素の一つが「フレームレート(fps)」です。普段はあまり意識されないかもしれませんが、映像が滑らかに見えるか、逆にカクカクして見えるかはフレームレートによって大きく左右されます。
また、フレームレートは高ければ良いという単純なものではなく、データ容量や編集負荷、映像表現の目的なども考慮しなければなりません。本記事では、フレームレートの基本的な仕組みや種類ごとの特徴、メリット・デメリット、用途別のおすすめ設定についてわかりやすく解説していきます。
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- フレームレートの主な種類と一般的な用途・活用シーン
- 動画のフレームレートが高いことのメリットと効果
- 動画のフレームレートを高くするデメリットと注意点
目次
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無料で相談・問い合わせるフレームレート(fps)とは?
フレームレートとは、動画を構成する静止画が1秒間に何枚表示されるかを示す数値で、単位はfps(frames per second)で表されます。例えば30fpsであれば、1秒間に30枚の静止画が連続して切り替わり、映像として認識されます。
人間の目は連続する画像を一定以上の速さで見せられると滑らかな動きに感じるため、この数値が高いほど映像はよりスムーズに映ります。ただし、必ずしも高ければ良いというわけではなく、映画のように24fpsが標準とされるケースもあります。用途や表現意図に合わせて適切なフレームレートを選ぶことが重要です。
フレームレートの主な種類と一般的な用途・活用シーン
フレームレートの主な種類と一般的な用途・活用シーンとして、以下の表でまとめています。
フレームレートの種類 | 主な用途・活用シーン |
---|---|
3~5fps | 防犯カメラや監視カメラなど動きを大まかに記録する用途 |
15fps | WEB会議やウェビナーなど最低限の滑らかさで通信量を抑える場面 |
24fps(23.98fps) | 映画やシネマティックな質感を表現する映像作品 |
30fps(29.97fps) | 日本のテレビCMや放送や一般的なドライブレコーダー映像 |
24〜60fps | YouTube動画 |
50fps | 欧州圏(PAL方式)の4K・8KテレビやDVD |
60fps(59.94fps) | 日本や北米(NTSC方式)の4K・8KテレビやDVD |
120~240fps | ゲーム映像・スポーツ中継・スローモーション撮影・VR映像など |
フレームレートが30fpsと60fpsと120fpsの違い
事例:コールセンター利用でのイメージ動画
30fpsはテレビ放送や一般的な動画で多く使われる基準で、人の目に自然な動きとして映る点が特徴です。例えばテレビCMや日常的な撮影では30fpsが標準となり、違和感のない視聴体験を提供できます。
一方で60fpsは1秒あたりの情報量が倍になるため、動きの速いシーンでも滑らかさが増し、ゲーム実況やスポーツ映像で選ばれることが多いです。さらに120fpsでは、より細かい動きを捉えることができ、スローモーション再生でもなめらかさを保てます。そのためアクション映像やVRコンテンツなど、没入感や臨場感を重視する場合に適しています。
なお、上記の動画では30fpsで制作されています。
動画のフレームレートが高いことのメリットと効果

動画のフレームレートが高いことのメリットと効果として、以下のような点があります。
- スポーツやアクションシーンの動きが滑らかに見える
- スローモーションで再生してもカクカクしづらい
- ゲーム実況やVR映像でも臨場感がある
ここでは、それぞれのメリットや効果を具体的に解説します。
スポーツやアクションシーンの動きが滑らかに見える
フレームレートが高い動画では、素早い動きの表現が自然になり、スポーツやアクションシーンを視聴する際に効果を発揮します。例えばサッカーやバスケットボールの試合を撮影する場合、選手の細かな動作やボールの移動がはっきりと映り込み、プレーの迫力がより伝わりやすくなります。
逆にフレームレートが低いと、激しい動きが残像のように見えてしまい、視聴者に違和感を与えることがあります。そのため、滑らかな映像は観戦体験を豊かにし、試合の臨場感をより正確に届ける役割を持っているといえるでしょう。
スローモーションで再生してもカクカクしづらい
高いフレームレートで撮影された映像は、スローモーション再生したときに違いが明確に現れます。例えば120fpsや240fpsで撮影した動画を通常速度の半分や4分の1に落としても、映像が途切れずなめらかに再生されます。これにより、スポーツの決定的瞬間や動きの分析、映像表現としての演出に活用できます。
逆に30fps程度の素材をスローモーション化すると、フレーム間の動きが不自然に飛んで見えることがあり、臨場感が損なわれる場合があります。そのため、滑らかさを維持したまま再生できる点は、高フレームレートの大きなメリットといえるでしょう。
ゲーム実況やVR映像でも臨場感がある
ゲーム実況やVR映像では、映像の滑らかさが体験の質に直結します。例えば60fpsや120fpsで配信されるゲーム動画は、視聴者がプレイヤーと同じ場面にいるかのような没入感を与えます。またVR映像では視線を動かしたときの反応が遅れると違和感や画面酔いが生じやすいため、高フレームレートであることが重要です。
また、低いフレームレートではカクつきや遅延が目立ち、臨場感が損なわれることがあります。滑らかな描写は、視聴者や体験者に自然な動きを届け、よりリアルに近い体験を可能にするといえるでしょう。
動画のフレームレートを高くするデメリットと注意点

動画のフレームレートを高くするデメリットと注意点として、以下のような点があげられます。
- 動画のデータ容量が大きくなる
- 処理負荷が高くなり編集作業が重くなる
- 映画などのシネマティックな映像では違和感がある
ここでは、それぞれのデメリットや注意点を具体的に解説します。
動画のデータ容量が大きくなる
高いフレームレートで撮影すると、1秒間に記録される画像の枚数が増えるため、その分だけデータ容量も大きくなります。例えば30fpsと比べて60fpsで撮影すれば、単純計算で約2倍のフレーム数を扱うことになり、保存に必要なストレージも大きく消費します。
短い動画であれば問題になりにくいですが、長時間の撮影や高解像度での収録では管理が難しくなる場合があります。容量の増加は、共有やアップロードの際にも時間がかかる要因となるため、撮影の目的に応じて適切な設定を選ぶことが重要です。
処理負荷が高くなり編集作業が重くなる
フレームレートが高い動画は、パソコンや編集ソフトにかかる処理の負荷が大きくなります。例えば120fpsの映像を扱う場合、1秒間に膨大なフレームを処理しなければならず、再生や編集時に動作が重くなったり、エフェクトの適用に時間がかかったりすることがあります。
その結果、作業効率が低下したり、高性能な機材を必要としたりするケースも出てきます。特に長時間の動画や高解像度の映像では影響が顕著になりやすいため、編集環境とのバランスを考えた上でフレームレートを選ぶことがもとめられます。
映画などのシネマティックな映像では違和感がある
フレームレートが高い映像は滑らかさが際立ちますが、それが必ずしも映像表現として適しているわけではありません。例えば映画の多くは24fpsで制作され、独特の質感や雰囲気を生み出しています。これを60fpsや120fpsにすると、動きが過度にリアルになり、観客が普段の映画体験として慣れ親しんでいる映像の雰囲気と異なってしまうことがあります。
結果として「映画らしさ」が失われ、作品の世界観に集中しづらくなる可能性があります。そのため、表現の意図や作品のジャンルに応じて、適したフレームレートを選択することが求められます。
【用途・シーン別】おすすめのフレームレート設定

映像の用途に応じて、最適なフレームレートは異なります。防犯カメラのように記録を重視する場面では低い値が選ばれ、映画やテレビでは標準的な値が活用されます。一方でYouTubeやゲーム映像のように表現の幅や臨場感が求められるシーンでは、より高いフレームレートが採用されることがあります。
3~5fps:防犯カメラ・監視カメラ
防犯カメラや監視カメラでは、人物や車両の出入りを記録することが目的となるため、映像の滑らかさはあまり重要ではありません。例えば3~5fps程度でも、人の移動や動きの有無を確認するには十分であり、データ容量を抑えて長期間保存するのに適しています。
記録性を重視する用途では、フレーム数を少なく設定することで効率的な運用が可能になります。また、設置場所や監視対象に応じて設定を変えることで、記録の精度と保存効率のバランスを取ることができているといえるでしょう。
15fps:WEB会議・ウェビナー
オンライン会議やウェビナーでは、参加者の発言や表情がわかれば目的を果たせるため、15fps程度で十分です。例えば資料を共有しながら進行する場合でも、映像が止まらず音声が聞き取りやすければ支障はありません。
通信量を抑えやすく、ネット環境が不安定な状況でも比較的スムーズに会話が成り立ちます。そのため、安定性を優先するオンラインの場面に適した設定といるでしょう。さらに、参加者数が多い会議や長時間配信でも負荷を軽減できるため、運営面でのメリットも大きいです。
24fps(23.98fps):映画
映画制作では、長年24fpsが標準的に使われており、観客に「映画らしい」質感を与えます。例えば日常的な映像を同じ24fpsで撮影しても、現実よりも少し非日常的に感じられるのは、フレーム数が持つ特徴です。
滑らかさよりも雰囲気や表現の独自性を重視する映像作品に適しており、作品世界の統一感を生み出す効果があります。また、歴史的にフィルム上映の基準として根付いてきたため、多くの観客がこのリズムに慣れており、無意識に「映画らしさ」を感じ取っています。
30fps(29.97fps):テレビCM
テレビCMや日本国内の放送では、30fps(厳密には29.97fps)が標準的に採用されています。例えば短い広告映像や情報番組の一部では、この設定により自然な動きと放送規格への適合が両立します。滑らかさを確保しつつ容量や処理負荷を抑えられるため、制作側にとっても扱いやすく、視聴者に違和感のない映像を提供できる形式です。
さらに、他の媒体に比べて短時間で情報を届けるテレビCMでは、映像と音声の同期性や安定性を確保する点でも、30fpsというフレームレートが適しています。
30fps:ドライブレコーダー
ドライブレコーダーでは、事故や交通トラブル時の状況を明確に記録することが求められるため、30fpsがよく用いられています。例えば信号の色や前方車両の挙動なども、30fpsの設定であれば鮮明に残すことができます。
高すぎるフレームレートは容量や保存効率に影響するため、実用性と長時間の録画を両立できる30fpsが最適といえます。また、警察や保険会社に提出する際にも、標準的な設定である30fpsなら扱いやすく、証拠映像としても信頼性を保てます。
24〜60fps:YouTube
YouTubeでは動画のジャンルに応じて、24fpsから60fpsまで柔軟に使い分けられています。例えば映画風の映像表現を意識する場合には24fpsが選ばれ、スポーツやゲーム実況のように動きを強調したい場面では60fpsが好まれます。
制作者が意図する世界観や視聴体験に応じて設定を変えられる点が特徴で、幅広い表現に対応できるのがYouTubeならではのメリットです。さらに、再生環境やデバイスに合わせて自動調整されることも多く、視聴者に最適な体験を届けやすいのも特徴です。
120~240fps:ゲーム映像
ゲーム映像やスポーツプレイの記録では、120fpsや240fpsといった高いフレームレートが活用されます。例えば格闘ゲームやシューティングゲームの映像をこの設定で配信すると、細かな操作や素早い動きが滑らかに映し出されます。
またスローモーション再生を行っても違和感が少なく、プレーの迫力や分析のしやすさが増します。特にVRやeスポーツなど観戦体験を重視する分野では、没入感を高める要素として高フレームレートが重要な役割を担っています。
フレームレートと混同しやすい用語

フレームレートと混同しやすい用語として、以下のような用語があります。
- ビットレート
- シャッタースピード
- リフレッシュレート
- 解像度
- コーデック
ここでは、それぞれの用語の違いについて詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてください。
フレームレートとビットレートの違い
フレームレートは映像の滑らかさを決める要素で、1秒間に表示される静止画の枚数を表します。一方、ビットレートは映像データを転送する速度や圧縮率を示す指標で、映像の画質やデータ容量に影響します。
例えば同じ30fpsの動画でも、ビットレートが高ければ細部が鮮明になり、低ければノイズが目立つことがあります。混同しやすい用語ですが、フレームレートは動きの表現に、ビットレートは画質と容量に関わるという点で役割が異なります。
フレームレートとシャッタースピードの違い
フレームレートは映像を構成するコマ数を示す一方、シャッタースピードはカメラが1フレームを撮影する際にどれだけの時間光を取り込むかを示します。例えば30fpsで撮影していても、シャッタースピードを速く設定すれば被写体の動きを止めて撮ることができ、遅く設定すれば残像が強調されます。
両者は映像の表現方法に大きく関わりますが、フレームレートは時間的な滑らかさ、シャッタースピードは動きの質感に影響を与えるという点で異なります。
フレームレートとリフレッシュレートの違い
フレームレートは映像そのものを作るコマ数を示しますが、リフレッシュレートはディスプレイが1秒間に画面を更新する回数を指します。例えば60fpsの映像を60Hzのモニターで再生すると動きが一致して自然に見えますが、30Hzのディスプレイでは滑らかさが損なわれます。
逆に120Hzのディスプレイで30fpsの映像を流すと、モニターは高い更新能力を持ちながらも映像の滑らかさは制限されます。映像の作り手と表示側の関係を理解することで違いを把握できます。
フレームレートと解像度の違い
フレームレートは映像の時間的な滑らかさを示す数値で、解像度は画面の縦横の画素数を示す指標です。例えば同じ30fpsでもフルHDと4Kでは、後者の方が細部まで鮮明に映し出せますが、動きの滑らかさ自体は変わりません。逆に解像度を下げてもフレームレートを高くすれば、映像はよりなめらかに感じられます。
混同しやすいですが、フレームレートは「動きの質」、解像度は「画の細かさ」を表しており、別の要素として扱う必要があります。
なお、動画の解像度についてはこちらの記事も参考にしてください。
フレームレートとコーデックの違い
フレームレートは1秒間の映像のコマ数を示すのに対し、コーデックは映像や音声データを圧縮・展開する方式を指します。例えば同じ60fpsの映像でも、H.264やH.265といった異なるコーデックを使うと、ファイル容量や再生環境での負荷が変わります。
フレームレートは映像の動きに直接関わる要素である一方、コーデックはデータの効率や互換性を左右する要素です。両者は異なる領域の概念ですが、映像制作や配信ではどちらも適切に選ぶ必要があります。
また、コーデックや動画のファイル形式については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
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フレームレートのよくあるご質問
フレームレートについてのご質問はかなり多くいただきます。その中から、頻度の高いものへの回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
フレームレートが30fpsと60fpsの違いは何ですか?
- 30fpsは一般的な動画で多く採用され、自然で標準的な映像です。60fpsは2倍のフレーム数を持ち、動きがより滑らかに見えるのが特徴です。例えば旅行記録や商品紹介のように日常的な映像であれば30fpsで十分ですが、動きが多いシーンをきれいに見せたいときは60fpsがおすすめです。ただし、スポーツやゲーム実況なら120fpsがよいでしょう。
フレームレートが60fpsと120fpsの違いは何ですか?
- 60fpsは一般的な映像より滑らかさが向上し、動きの多い動画でも見やすさが増します。一方120fpsはさらにコマ数が増えるため、スローモーション再生や高速アクションの描写でも違和感が少なくなります。例えばスポーツ中継や格闘ゲーム実況では、120fps以上にすることで細部まで表現でき、臨場感が高まります。
フレームレートは高いほうがいいですか?
- フレームレートが高いほど滑らかさは増しますが、常に高ければ良いとは限りません。例えば映画は24fpsが標準で、独自の雰囲気を表現しています。一般的な動画では30fpsで自然に見え、スポーツやゲーム実況では120fps以上が効果的です。一方で高すぎる設定はデータ容量や処理負荷を増やすため、用途に応じて選びましょう。
まとめ

フレームレートとは、動画を構成する静止画が1秒間に何枚表示されるかを示す数値で、単位はfps(frames per second)で表されます。例えば30fpsであれば、1秒間に30枚の静止画が連続して切り替わり、映像として認識されます。
フレームレートが高いことで、スポーツやアクションシーンの動きが滑らかに見えて、スローモーションで再生してもカクカクしづらいため、ゲーム実況やVR映像でも臨場感がある点がメリットです。一方で、動画のデータ容量が大きく、処理負荷が高くなり編集作業が重くなる点がデメリットです。そのため、用途や活用シーンにあわせたフレームレートを選ぶことが大切です。
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